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【第27回】鍼灸と乳がん治療 [がんと鍼灸]

放射線治療②(カテゴリー:放射線)

私は胸の手術が終わって傷が癒えてきた頃から放射線治療を始めました。
ガンが見られた脇、首、鎖骨、手術後の胸に照射する、ということで全25回。
日曜日以外は毎日通院しました。

放射線経験者の話や看護師さんの話を聞くと、
外的な副作用としては「日焼けをした後のような皮膚になる」と、
肺の一部にも当たるため「稀に肺炎になる場合がある」という説明でした。

本当に稀に白血球の低下が見られることがあるそうですが、
それもほとんどないとのこと。

まぁそんなものかと、それまでの抗がん剤や手術を思えば気楽に構えていましたが、
ある経験者から
「最初は平気だったけど、後からひどいやけど状態になって、
結果大きな水ぶくれができて、皮膚がグジュグジュになってひどく大変だった」
と聞き、ここにもまた試練があるのかも!?と気を引き締めました。

そこで考えたのが、日焼けの仕組み。
乾燥した肌と保湿された肌では乾燥した肌の方が焼けやすいと言われています。
ならばと、放射線治療を受ける前からとにかく皮膚の保湿を徹底しました。

この時、病院から処方されたのが「ヒ○○イド」
のちに美容目的で処方を希望する人が増えて問題になった話題のアレです。

当時、看護師さんたちに
「これ、顔に塗ってもいいよ。あとでネット検索してみて」
と笑顔で言われたのはそういう理由だったのですが、
私の場合はきちんとした理由で。

放射線治療のステップは、
まず初めに放射線科でどこに照射するかを細かく決めるため
ペンで体に印をつけられました。

ピンポイントで照射するため部位に印をつけてもらうのですが、
線や点線を紫の太いペンで思いっきり大きく描かれたため、
フランケンの顔のような、牛肉の部位を表した図のような、
なんとも滑稽な感じでした。

1回の照射にかかる時間はわずか5分から10分程度。
台の上に仰向けに寝転び、
バンザイした体勢で脇、首、胸にピンポイントで照射するのですが、
熱さや痛みもなくあっという間に終了しました。

25日の間、毎日の保湿(患部はこすらない。
手のひらにクリームを広げてスタンプのようにそっとのせる感じ)
を欠かさず繰り返しました。もちろん照射が終わってからも。

うっすらと赤く、本当に日焼けしたようになりましたが、
1ヶ月もすれば元どおり。火傷も肺炎も回避できました。
また、当初懸念事項だった胸のエキスパンダーにも影響しませんでした。

放射線科に通っていた時に印象的だったのが放射線技師の若者たち。
毎朝、爽やかな笑顔で「大丈夫ですか?」と声をかけていただきながら
「あと何回ですね、もう少しですね」と何度も励まされました。

放射線最後の日、検査技師の若者が一列に並んで
「おつかれさまでした。これで一旦、少しは安心できるかと思います。
ありがとうございました」とお辞儀されました。

「ありがとう」と言うのは私の方なのに、
私より先にかけられたその言葉には胸が熱くなりました。

「大変でしたね。辛かったですよね」と言われるより、
何倍も嬉しく本当の意味で人に寄り添う医療ってこういうことだよなぁと。

放射線治療を思い出す時、通院する憂鬱さより先に、
放射線技師の若者の顔が目に浮かびます。

つづく


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